ブログ

BLOG

ブログ

BLOG

2020/08/07

庭には2羽ニワトリ

 先日、鶏卵農場見学をする機会がありました。山間にある農場で、約30万羽のニワトリを飼っておられます。ニワトリの9割が毎日玉子を産むそうで、27万個の玉子が毎日出荷されています。農場はニワトリが飼育されている「養鶏場」と玉子を選別し包装する「選別場」に区分されています。


 最初に「選別場」を訪ねました。ここはベルトコンベアで「養鶏場」と結ばれており、採卵された玉子が逐次搬送され、洗浄、選別、梱包と順次作業される仕組みとなっています。毎分400個のペースで次々と玉子が運ばれる様子は、農場というより工場のようです。
 次に「養鶏場」です。50センチ四方のケージに6羽のニワトリが入れられており、一区画、上に十段、奥に二百段、満員電車をタテに重ねた集合住宅のような印象です。まさに3蜜を絵にかいたような状況です。薄暗く、狭く、窮屈な環境で過ごしているニワトリに同情を禁じ得ません。ここでも、エサの給仕から採卵まで全自動で行われ、人がする作業は通路の清掃程度です。


 見学後の感想は少し複雑なものです。特に、「強制換羽」という飼育方法が印象に残っています。通常ニワトリは生後半年で産卵をはじめ、約1年間で産卵率が低下するそうです。自然下のニワトリは換羽(羽が抜け換わること)後、休産期に入り、その後再度玉子を産み始めます。養鶏場では人為的に換羽させるため、ニワトリを一週間程度絶食させ、栄養不足にさせることで新しい羽に抜け変わらせます。これを「強制換羽」というそうです。当然、絶食中に病気や栄養失調で死に至るニワトリも少なくなく、一定のリスクはあるものの、採卵の効率化のために行うことがあるようです。人間の勝手な都合が、ニワトリの命よりも優先されているということです。


 昨今、「ベジタリアン」や「ビーガン」の方が増えているそうですが、生きるために自分以外の生き物の命を絶たねばならいこと、多様な生命を守り共存することとの「二律背反」を考えると、もっともなことと感じます。生き物を殺すことや命を奪うことに対しての罪悪感と、生きてゆくためには殺生し続けなければならない人間の「性」の両面性について考えさせられます。
 食卓にあるもの全てが、多くの命と多くの人の手に支えられていることに思いを馳せ、食ベものを無駄にせずに美味しく食べて、命に感謝することが大切だと改めて気付かされました。


東本